日経の夕刊にはまだ記事が載っていませんでしたが、児童ポルノ禁止法改正案、噂通り提出されてしまったみたいですね。
以前から様々な問題が指摘されていながら、ちゃんと議論することなく、改正を強行しようとしていることも許せないことです。
単純所持禁止について……被害者が特定できている写真等を対象にした、罰則なしでの廃棄義務だったら、まだ納得できるんですよね。納得できるというか、被害にあった児童の救済を考えれば、罰則なしで廃棄を求めることだけならむしろ賛成できる点もあるというか。虐待等の被害を受けた児童が実際にいて、その様子が写された写真等は芸術や創作物とは言えませんし、そういった被害者の写真等がばらまかれるようなことは防がなければいけないでしょう。創作物とは言えない被害者の写真が他人の手に渡ることは、プライバシーの点からいっても問題ですし*1。被害者の有無関係なく、諸外国に比べて児童の年齢が高い状態で、その上実際の年齢関係なく「児童に見える、児童を想像させる」画像等も罰則有りで所持禁止にしようとしているから、これだけ反対の声が上がっているわけで。フィクションの性表現については、そもそも被害者がいないわけですしね。それに、デフォルメされて描かれるキャラクターの年齢を、見た目の印象で決めてしまうこと自体、馬鹿げていることでもあります。
痴漢等の冤罪問題は依然深刻なままで、内容に疑問のある不審者情報が公開されているような現状で、インターネット上のなりすまし事件もあったばかりの今……単純所持禁止が決まってしまったらどうなってしまうのかと、不安で堪りません。でっち上げの被害にあった知人がいるので、他人事ではなく恐ろしいです。その知人は一家離散の怖れすらあったわけで……ほんとに他人事ではないです。
そういえば、風営法によるダンス規制も、最近話題になっていますよね。数年前には、ダガーナイフ規制で、カキ養殖業者等の道具まで規制されてしまったというような話もありましたよね。安易な規制は、想像していないような弊害を生んだりもします。児童ポルノ法案も同じで……今でも、「変態が捕まるだけだろ」みたいに思っている人もいるようですが、それでは済まないんですよね、ほんとに。
改めて……児童ポルノ禁止法改正案に、私は反対します。
