久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「彼らは生きていた」

 2月1日、友人たちとシアター・イメージフォーラムで見てきました。

 ピーター・ジャクソン監督による、ドキュメンタリー映画第一次大戦のイギリス軍とドイツ軍の戦い。その記録映像をカラー化し、当時の風刺画や元兵士たちの証言をあわせて編集された作品です。

 世の中の空気や広告に半ばのせられるような形で、兵士として志願してしまった多くの少年たち。訓練の後、彼らが送り込まれた戦場は、正に地獄と呼ぶべき場所だった……。

 第一次大戦の記録映像等は、テレビのドキュメンタリー等で何度か見ていましたが……モノクロだったこともあって、遠い昔の出来事であり、半ば他人事のように見てしまっていたんですよね。でも今回、その映像に色がついたことで、一気にリアリティが増したというか……その悲惨な戦いは確かに現実に起きたことなのだと、目の前に突き付けられたような気分でした。

 目を背けたくなるような映像が多く……その地獄のような場所にも慣れてしまっていく少年たちの姿が痛々しく思えたりもしました。

 戦争が終わり、国に帰った後の彼らに対する人々の態度もひどい。友人とも話しましたが……映画の「ランボー」一作目を思い出したりもしました。

 戦場の悲惨さ、残酷さをこれ以上ない形で伝えてくれる作品でした。