久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「やくならマグカップも」

 岐阜県多治見市を舞台に、陶芸部の活動を描いたお話。前半はアニメ、後半は主演声優さんたちによる多治見市観光や陶芸体験のレポート、という構成。テレビアニメではちょっと珍しい構成ですね。

 母を亡くし、父と共に母の故郷で高校生活を送ることになった主人公。そこで彼女は陶芸家だった母のことを知り、自身も陶芸を始めることになるのだが……といったお話。

 地方を舞台にした、のんびりした部活アニメになるのかなと思っていたのですが……モノを作ることや表現することの楽しさと難しさに、きちんと向き合ったお話になっていましたね。自分の作品が完成したことに対して喜びつつ、実力不足に苦しみ、始めたばかりなのだから仕方ないと思いながらもどうしても落胆してしまう……そんな主人公の悩みと成長が、丁寧に描かれていました。かといって暗くなりすぎることもなく、基本的には明るく楽しい雰囲気のお話になっていたのが良いですね。

 楽しい作品でした。第2期も楽しみです。