久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「コーヒーロースター」

 コーヒー豆の焙煎を題材にした、1人用ボードゲーム。ずっと気になっていたゲームだったのですが……先日遂に購入し、遊んでみました。

 最初に、焙煎する豆について書かれたビーンズシートを1枚選び、その内容に従って、不透明な袋に、豆の焙煎度を示す数字が書かれた豆チップや、フレーバーを表すフレーバーチップ等を入れます。

 ゲームは大きく分けて、焙煎フェイズとカップテストにわかれており……焙煎フェイズでは、毎ターン、指示された枚数のチップを取り出し、最初は焙煎前の「硬質豆」や焙煎度「0」の豆チップを、焙煎を進めることで上の数字のチップに交換していきます。焙煎フェイズでは、フレーバーチップを焙煎ボードに配置することで、マイナス点になってしまう「欠点豆」等をゲームから除外する等の即時効果を使用したり、2枚の豆チップの焙煎度を合計して1枚に変えたり、逆に2枚に分けたりする等のフレーバー効果を使うことができます。焙煎フェイズではこうして、豆チップの焙煎度を上昇させると共に、袋の中のチップの枚数を調整していくことになります。

 豆の焙煎……焙煎度の数値とチップの枚数が充分整ったと思ったら、焙煎フェイズを終了し、カップテストに移ります。カップテストでは、袋から1枚ずつチップを取り出し、点数計算に使用するカップテストのボードのマスか、点数には加えない焙煎ボード上の皿のマスにチップを置いていきます。カップテストのチップ用のマスがすべて埋まるか、袋の中のチップがすべて無くなったところで、カップテストは終了。ビーンズシートを確認し、豆チップの数字の合計によって決まるローストポイント、フレーバーチップによって決まるフレーバーポイント、同じ焙煎度の豆チップによって得られるスキルポイント、「欠点豆」等によって決まるマイナスポイントを合計し、その豆の焙煎によって得られた点数を計算します。その点数によって、次に焙煎する豆の難易度が決まり……次のビーンズシートを選んで、新たに焙煎を始めます。

 全部で3枚のビーンズシートを終えたら、ゲーム終了。ビーンズシートごとの得点を合計し、最終得点を計算することになります。この得点がより高いほど、優秀な焙煎士ということになります。

 ソロプレイゲームとして非常に楽しく、また難しくやり応えのあるゲームでした。基本的には焙煎フェイズを進め、豆チップをより高い数字のチップと入れ替えていくことを目指すわけですが……難しいのは、ただ数字の高い豆チップを増やせばいいというわけではないというところ。カップテストの際、豆チップの合計値が高すぎると、却ってローストポイントで得られる点数は低くなってしまい……かといって合計値が低すぎても、高い得点にはならない。高いローストポイントを得るには、高すぎず低すぎずの目標値を目指す必要があり……そこが難しくも、コーヒー豆の適切な焙煎を目指す焙煎士の仕事を疑似体験できるかのようで面白かったです。

 袋からチップを取り出すところには運の要素もありますが……フレーバーチップの効果を利用することで、余計なチップをゲームから除外したり、豆チップを合成したりすることができ、そうすることで袋の中のチップの種類と数を調整できるのが面白いですね。でも、フレーバーチップは最後のカップテストの得点にも関わるので、全部使ってしまうわけにもいかず……その匙加減も、また悩ましい感じでした。

 焙煎する豆の種類……ビーンズシートも豊富で、豆ごとに最初のチップの構成が大きく変わり、それがそれぞれの豆の特徴を表しているのも面白かったです。ビーンズシートの裏の豆の説明文も面白い。

 総じて……ソロプレイゲームとして非常に完成度が高く、面白いゲームでした。なかなか見習いレベルよりも上の点数は取れませんが、地道に挑戦していこうと思います。