日経新聞朝刊で連載されていた赤神諒さんの「太陽の門」が、先日最終回を迎えましたね。
スペイン内戦を戦い抜いた一人のアメリカ人。皮肉屋だが非常に優秀な戦術家で、到底勝ち目がないと思われていた戦場を生き延びてきた男。だがそんな優秀な男でも、時代の大きな流れを変えることはできず、戦友や恋人を失い続ける悲劇を味わっていくことになる……という物語。
戦争を題材にしたハードボイルド小説のように思えました。ちょっと洒落た主人公の言動、戦場でも皮肉とユーモアを忘れない男の戦いぶりがかっこいい。でもいくら主人公が有能でかっこよくても、戦争そのものをどうにかすることはできず、結局時代の波に流されていくことになってしまう……一個人の無力さみたいなものを感じさせられるところもあったように思いました。
面白い作品でした。
日経新聞朝刊……現在は、伊集院静さんの「ミチクサ先生」の連載が再開されています。