その他小説
日経新聞夕刊で連載されていた、宮城谷昌光さんの「諸葛亮」が3月31日で最終回を迎えました。 諸葛亮の一生を描いた作品。有名なエピソードや逸話について、小説の形で改めて知ることができ……同時に、今まであまり知らなかった人物等に触れることができた…
日経新聞朝刊で連載されていた、安部龍太郎さんの「ふりさけ見れば」が先日最終回を迎えましたね。 唐に派遣され、その才能を認められた阿倍仲麻呂。だが帰国直前、密命を受けた仲麻呂は、スパイとして唐に残らなければならなくなってしまう。秘密を抱え苦悩…
筒井康隆さんのブラックユーモアサスペンス小説。 地方の町で起きた文化人連続殺人事件。その第一の被害者を見つけることになってしまった作家の男は、自分も殺されてしまうのではないかという恐怖に捕らわれてしまうのだが……といった感じのお話。 小心者の…
日経新聞夕刊で連載されていた、荻原浩さんの「ワンダーランド急行」が12月28日に最終回を迎えましたね。丁度一年間の連載ということになるのでしょうか。 出勤時、いつも乗る列車とは反対方向の電車に乗ったことをきっかけに、今まで生きてきた世界とは…
日経新聞朝刊で連載されていた、伊集院静さんの「ミチクサ先生」が昨日最終回を迎えました。 夏目漱石の一生を描いた伝記小説。文豪として、どちらかと言えば気難しいイメージのあった夏目漱石ですが……本作では漱石のユニークな面や、多くの人を惹きつける魅…
日経新聞夕刊で連載されていた、朝井まかてさんの「秘密の花壇」が先日最終回を迎えましたね。 「南総里見八犬伝」を書いた滝沢馬琴の生涯を描いた物語。様々な苦難に襲われ、幸福は長く続かず、老境に至っても穏やかな生活など程遠く……それでも家を守るため…
日経新聞朝刊で連載されていた赤神諒さんの「太陽の門」が、先日最終回を迎えましたね。 スペイン内戦を戦い抜いた一人のアメリカ人。皮肉屋だが非常に優秀な戦術家で、到底勝ち目がないと思われていた戦場を生き延びてきた男。だがそんな優秀な男でも、時代…
日経新聞夕刊で連載されていた、髙樹のぶ子さんの「小説 伊勢物語 業平」が先日最終回を迎えましたね。 タイトル通り、「伊勢物語」を小説の形で描いた作品。優れた才能があってもままならないことも多い人生を、それでも最後まで生き抜いた男の物語でもあっ…
日経新聞朝刊で連載されていた、池澤夏樹さんの小説「ワカタケル」が先日最終回を迎えましたね。 ワカタケルが大王となり、国を治め、そしてこの世を去った後のことまでが描かれていました。神話の世界が終わり、人の歴史へと時代が移り変わっていくまでを描…
夏に公開されたジブリ映画「思い出のマーニー」、その原作本です。 原作はほんとに児童文学らしい雰囲気の作品でした。主人公アンナの不器用さや悩みも、ほんとに年相応の子供らしい感じに描かれていて。田舎での生活、マーニーとの触れ合い、その後の新しい…
同人仲間から借りて読みました。「アニメミライ2014」で上映された作品を見て、原作にもちょっと興味が湧いていたので。貸してくれた友人には感謝です。 大人になった今読むと、自分が子供だった頃のことを思い出し、懐かしい気分になってしまいますね。…
高校生の少女、ヘルプ要員になりつつあるキャバクラ嬢、三十路手前の女性編集者。傷と苦悩を抱え、限界を感じていた三人が偶然出会い、短い逃避行の旅に出ることになる……というお話。 最初はぎくしゃくし、旅に出たことを後悔したりもしていた三人が、徐々に…
積み消化。翌日のテストを諦める生徒のもとに、窓からテストの解答用紙が投げ込まれる。やがてテストの答えを知らされる生徒が増えていき、更には嫌な教師の弱みまで知らされるようになっていって……というお話。 宗田理さんらしい、学校を舞台にしたお話。生…
積み消化。映画は学生の頃見ました。 新宿歌舞伎町を中心に、中国系マフィアが対立する裏社会で生き残ろうとあがく男の姿を描いたクライムノベル。 登場人物が総じて悪人で、裏切りと騙しあいが続く物語。巻末の解説では、北上次郎さんが、「感情移入できる…
老舗の糊メーカーを襲うTOBと、新商品開発の失敗。会社を救うために、新開発の「くっつかない糊」を商品化するプロジェクトに主人公は加わることになってしまったが……。 ユーモアのある文体で、テンポよく進んでいくサラリーマン小説。新人営業マンの主人公…
随分積んでしまっていましたが、先日読了。 行方不明となっているロックシンガーのライブの噂を聞き、全国から集まってくる若者たち。家出をした生徒を追って、主人公たちもライブが行われるという長篠へ向かうが……。 主人公たちもすっかり大人になってしま…
不器用な心を抱えた女子校生4人の物語。卒業までの最後の一年間が、季節ごとに、語り手を順に変えながら描かれています。大きな事件が起きるわけではなく、語られているのは、端から見ればとても小さな出来事で。でも直面している子にとってみれば、心を揺…
カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の児童文学作品。引っ越し先の家にあったボロボロのガレージ。その中で少年マイケルは、衰弱し汚れ果てた不可思議な男と出会う。重い病気を持つ赤ん坊の妹のために、沈んだ暮らしをしていたマイケルは、隣人の少女ミナ…
誰もが知っている古典。もとの小説を読んだことはなかったので、ちょっと手にとってみました。 古きよき怪奇小説の雰囲気。遺言状やジーキル博士の友人等、読んでみて初めて知ることはやっぱり多いですね。ジーキル博士とハイド氏 (角川文庫)作者: スティー…
ライフログがテーマの小説。 記録メディアの小型化・大容量化によって、自分の周囲の常時録音録画が当たり前にできるようになった未来社会の話。ヴィジブル・ユニットによって自分の人生のすべてを記録することも可能な社会を舞台に、ライフログの理想と現実…
下巻。脳を暴走させる「情報ウィルス」のワクチンを求めてドイツへと向かった「ぼくら」は、魔女狩りを現代に甦らせようとする秘密組織やナチスの亡霊たちと対決することに……。 お話のテーマや敵対する組織の規模が大きくなりすぎたせいか、中学生時代が好き…
押入れの整理で発掘。長く未読でした。 なんというか、懐かしかったですね。宗田理さんの本は、中学生の頃はまって読んでいて、「ぼくら」シリーズ以外もほとんど全部読んだものです。久しぶりでしたが、登場人物の名前等、結構覚えていました。 バスの転落…
ネットワークの秩序をめぐって対決するハッカーたちの物語。そして同時に、自分の居場所を求める人間たちのお話。 国際的に活躍する日本人ハッカーと、クラッカー集団の対決。クラッカー集団の巣窟となったオンラインゲームから、やがてネットワークの崩壊ま…
現代の女性、特に中年世代以降の不安や生活の閉塞感などを描いた現代短編小説集。全9編。 この年で読むと、他人事ではない題材が多くて、読んでいてちょっときつかったです。男の私でもそう感じたのですから、作中の主人公達と同じ女性が読んだら、もっとき…
書店で本書を見かけるまで、赤川次郎さんがショートショート集を出しているとは知りませんでした。 ファンクラブの会誌に載せているショートショートをまとめたもので、タイトルは会員から募集し、そこから話を考えて書かれているようです。 中身はバラエテ…
評判は聞いていましたが……噂通り、一部の人間にとっては非常にイタイ小説ですね。 舞台は一九九〇年代初頭のTRPGサークルで、主人公はTRPGにはまっている男子校の二年生。例会にやってきたTRPG初心者の美少女相手に、キャンペーンシナリオのGMをすることにな…
「SFファンタジー」のカテゴリには個人的に入れにくかったので、「その他小説」で。全11編収録のダークファンタジー小説集。 ダークファンタジーなので、読後の後味は悪め。というか、結構呆然としてしまう落ちが多かったです。突き落とされると言うよりも、…
松尾由美さんの本を読むのは多分初めて。ミステリー色の強い、ダーク・ファンタジー短編集です。 読後感は相当悪く、なんとも言えない嫌な気分になれます。収録作7編のうち約半分はミステリ風の作りになっているのですが、解答はあくまで仄めかされる程度。…