久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「恐怖」

 筒井康隆さんのブラックユーモアサスペンス小説。
 地方の町で起きた文化人連続殺人事件。その第一の被害者を見つけることになってしまった作家の男は、自分も殺されてしまうのではないかという恐怖に捕らわれてしまうのだが……といった感じのお話。
 小心者の男の振る舞い……恐怖のあまりおかしな行動をとり、冷静さを取り戻したかと思えばまた変になってしまう……その様子が独特なブラックユーモアで描かれている作品でした。
 ちょっと奇妙な味わいを感じさせられるお話でもあり……不謹慎な笑いがくすりと漏れてしまうようなところもありました。