久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

小説

「少女禁区」

第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作と、もう一本短編を収録した短編小説集。 受賞作「少女禁区」は、呪術師たちの生きる村で、親殺しの疑いのある強力な呪術師の少女と、彼女に玩具のように弄ばれることになった少年の物語。 もう一本の収録…

「真・聖竜伝 1」

冴木忍さんのライトノベル。「聖竜伝」の続編となるファンタジー小説。 前作の最後、行方不明となった少年シン。彼の生存を信じる少年ラトキスと少女ファナは、それぞれ王城と神殿で自らの役目を果たしながら暮らしていた。そんな二人は、シンが見つかったと…

「陥穽 陸奥宗光の青春」

日経新聞朝刊で連載されていた、辻原登さんの小説「陥穽 陸奥宗光の青春」が、1月31日で最終回を迎えました。 幕末の志士であり、明治の政治家である陸奥宗光の半生を描いた伝記小説。国が大きく動き、その姿を変えていき……大勢の人々の思想や思惑がぶつ…

「都市伝説セピア」

朱川湊人さんの短編小説集。五本収録。 非常に良質な作品集でした。落ち着いた筆致で語られる物語。その最後は意外性があるだけでなく、何とも言えず味わい深いものばかりでした。 個人的には、一本目の「アイスマン」がお気に入り。最後が切なくも美しい。 …

「三百字小説」

「ワンショット・ノベル」と名付けられた、三百字以内の掌編小説集。川又千秋さんの作品だけでなく、投稿された多くの作品も収録されています。 トンチや小咄みたいなものから、雰囲気の良いショートストーリーのようなものまで……バラエティに富んだ作品集で…

「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が庭に響け銃声」

「魔術士オーフェンはぐれ旅」、第二部の後半を読んでいないことを思い出したので……積み本消化。 クリーオウとマジクをさらわれ、半ば罠に飛び込むようにして、最接近領の領主のもとへ向かうオーフェンたち。相手の思惑に翻弄され、窮地に陥っていくのだが………

「青チョークの男」

夜のパリに現れ、道に落ちたゴミやガラクタ等をチョークで描いた円で囲む、謎の人物。その正体も目的も不明なまま、その行いは続き……そしてある夜、チョークの円で囲まれたのは死体だった……といった感じのお話。 個性的というか……ちょっと癖のある人物が多数…

「諸葛亮」

日経新聞夕刊で連載されていた、宮城谷昌光さんの「諸葛亮」が3月31日で最終回を迎えました。 諸葛亮の一生を描いた作品。有名なエピソードや逸話について、小説の形で改めて知ることができ……同時に、今まであまり知らなかった人物等に触れることができた…

「聖竜伝 3 竜の翔る天空」

冴木忍さんの冒険ファンタジー、第一部完。 王の秘密を知ったことで危うい立場になってしまったシン。仲間にも秘密を打ち明けられず、苦悩する中、都で起きた異変に立ち向かうことになり……といった感じの展開。 主人公たちがほとんどまだ子供ということもあ…

「バースデイ」

鈴木光司さんの「リング」シリーズの短編集。「リング」「らせん」「ループ」を補完する作品でもありますね。山村貞子の呪いによって最後を迎える人の姿を描いた二つの話と、ヤマムラサダコの呪いから解放されたその後の世界を描くお話と。 映画版「リング」…

「トンコ」

第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作の表題作含めて、三本のホラー小説を収録した短編集。 輸送中の事故により、一匹で山中をさまようことになってしまった食用豚のお話である「トンコ」。親から虐待されている少女が、幸せな家族になるために皆でゾンビ…

「沈黙のフライバイ」

野尻抱介さんによる、宇宙開発を題材にしたSF短編集。五本を収録。 落ち着いた筆致で、宇宙開発に取り組む人々の真剣な思いや、独特な探求心、困難に挑む姿等が描かれていました。松浦晋也さんの解説にもありましたが……登場人物が基本的にとても理性的で、想…

「puzzle(パズル)」

廃墟マニアしか訪れないような孤島で見つかった、不可思議な三体の死体。その地を訪れた二人の男は、事件について対話していくのだが……といったお話。 推理小説というよりも、奇妙な味の小説といった感じに思えました。真相を推理するよりも、独特な雰囲気を…

「雀蜂」

貴志祐介さん作のサバイバルホラー。一応ネタバレがありますので、未読の方はご注意下さい。 冬の山荘で目を覚ました男。彼は部屋に現れた蜂を見て、自分には蜂毒のアレルギーがあり、次に刺されたら命を失うかもしれないことを思い出す。季節外れの蜂の襲撃…

「小説 伊勢物語 業平」

日経新聞夕刊で連載されていた、髙樹のぶ子さんの「小説 伊勢物語 業平」が先日最終回を迎えましたね。 タイトル通り、「伊勢物語」を小説の形で描いた作品。優れた才能があってもままならないことも多い人生を、それでも最後まで生き抜いた男の物語でもあっ…

「ワカタケル」

日経新聞朝刊で連載されていた、池澤夏樹さんの小説「ワカタケル」が先日最終回を迎えましたね。 ワカタケルが大王となり、国を治め、そしてこの世を去った後のことまでが描かれていました。神話の世界が終わり、人の歴史へと時代が移り変わっていくまでを描…

「探偵ガリレオ」

東野圭吾さんのミステリー小説。短編集で、5話収録されています。 超常現象としか思えないような不可思議な事件を、物理学者の主人公、湯川が科学的に解き明かす……という内容。科学には疎い私ですが、説明はわかりやすく、娯楽作品として面白かったです。ホ…