久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「蜘蛛ですが、なにか?」

 異世界転生モノのファンタジー作品、一先ず最終回。一応ネタバレがありますので、まだ見ていない方はご注意下さい。

 ファンタジー風の異世界に、最下級のクモ型モンスターとして転生してしまった現代日本の女子高生。ダンジョン内で生き残るために、彼女は知恵を絞って様々なモンスターと戦い、スキルを得て強く進化していく。一方、彼女のクラスメートたちもまた異世界に転生してきていて、それぞれの立場でファンタジー世界を生きていたのだが……といった感じのお話。

 主人公の一人漫才みたいな語りや、生き残るための必死の戦いぶりが楽しい作品。話の構造に仕掛けがあり、物語が進むにつれて世界の秘密や状況などが徐々に明らかになっていくという展開も面白かったです。

 人間やそれに近い種族に転生したクラスメートたちのやり取りも、個人的には楽しめました。普通のファンタジー作品だったら主人公の立ち位置だったはずのキャラクターが、実は真実も知らずに利用されているような立場だったという皮肉。彼が今後どうなっていくのかも気になりますね。

 2クールで描けるところまでをアニメにした、といった感じで……ちょっと唐突な終わり方になってしまっていたのが残念。続編が制作されたら、是非見たいですね。