久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ペーパー・ダンジョンズ」ソロプレイ

 ファンタジーRPGのダンジョン攻略を題材にした紙ペンゲーム。英雄たちのレベルを上げ、ダンジョンを進んでモンスターを倒し、宝石を手に入れ、ボスに挑み……そうしてより多くの栄光点を獲得し、高得点を目指そうといった感じのゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。

 まず冒険の舞台となるダンジョンカードをランダムで1枚選び、カードに描かれている壁と3体のボスの位置をプレイヤーシートのマップに書き写します。ダンジョンカードに描かれている3体のボスカードを場に並べ、ゲーム中条件をクリアすることで得点となる任務カードを3枚、ランダムで選んで場に並べます。プレイヤーごとに、特殊効果を持つパワーカードと個別の目的カードを2枚ずつランダムで手に取り、そこから1枚ずつ選んで自分の前に置き……目的カードにあわせて、プレイヤーシートの英雄の訓練様式を表すボックスを塗りつぶします。これで準備完了となります。

 ゲームは全8ラウンドで、3つのシーズンに分かれており……シーズン1と2は3ラウンド、シーズン3のみ2ラウンドとなっています。そして、各ラウンドは「ダイスロール」と「ダイスの選択」の2つで構成されています。

「ダイスロール」では……白黒2色・合計6個のダイスを、プレイヤーの1人が代表して振り、その出目の結果を全プレイヤーで共有します。ダイスの目は……ウォリアー、ウィザード、クレリック、ローグ、それぞれのクラスをあらわすシンボルと、それら4種のクラスのどのシンボルとしても扱える四つ葉、より多く移動できるブーツ、プレイヤーへのダメージとなる髑髏……の6種類です。ダイスを振り終えたら、次の「ダイスの選択」に移ります。

「ダイスの選択」では、まず髑髏の目が出たダイスを、1個1点のダメージとして、全プレイヤーがそのダメージを受ける処理をします。そして次に、髑髏以外の目のダイスから3個を選び……1個につき、4つのアクションから1つを選んで行うことになります。選べるアクションは、英雄のレベルアップ、マジックアイテムの作成、ポーションの作成、ダンジョンの移動の4種。

 レベルアップ、マジックアイテム作成、ポーション作成のアクションでは、それぞれプレイヤーシートのボックスやサークルを選んで塗りつぶします。この際、英雄のレベルアップと一部のマジックアイテムの作成では、ダイスの色やシンボルがボックスを塗りつぶす条件と一致している必要があります。英雄のレベルアップでは、レベルによる戦闘時の数値とヒットポイント上昇の恩恵があり、マジックアイテム作成では、作成が完了したアイテムの効果(ボス戦での攻撃力上昇や、ダンジョンの壁の通り抜け等)を得られることになります。ポーションを作成すると、ダメージを受けたときに、ヒットポイントの代わりにポーションのハートを埋めることで、受けるダメージを減らすことができます。

 ダンジョン移動のアクションでは、ブーツのシンボルとそれ以外で移動数が変わり……移動数だけ線を引いて、ダンジョンの部屋を進んでいくことになります。そして、侵入した部屋に描かれたアイコンに従って、ミニオン(モンスター)との戦闘や、罠によるダメージの処理、宝石の獲得やレベルアップ等のアクションの処理を行います。また、各シーズンの終わりにはボスとの戦闘があり……ボスとの戦闘に参加するためには、シーズン終了までにボスのいる部屋を通過しておく必要があります。

 こうしてゲームを続け……シーズン3のボス戦が終わったところで、ゲーム終了。ボス戦や倒したミニオンの数によって得られる栄光点、英雄のレベルによる点数、作成したマジックアイテムや獲得した宝石による点数や、クリアした任務カードや目的カードの点数等を加え、受けたダメージ等による失点をマイナスし……それによって最終的な栄光点を決めます。その点数がより高得点だったプレイヤーが勝者となります。

 ファンタジーRPGのダンジョン攻略を、1枚のシートにぎゅっと詰め込んだ紙ペンゲームでした。英雄のレベルやマジックアイテムの作成でも栄光点は得られますが、それだけでは高得点にはならず……ダンジョンを進んでミニオンを倒し、ボスに挑み、多くの宝石を得ていく必要があります。また英雄のレベルアップやマジックアイテム作成を効率よくやっていくためには、ダンジョンの部屋のアイコンを利用する必要もあり……でもダンジョンを進み、ミニオンやボスと戦うためには英雄のレベルをちゃんと上げておき、受けるダメージを減らせるポーションも持っておかなければならない。レベルアップ、マジックアイテム作成、ポーション作成にダンジョン移動……どれも疎かにできず、どのダイスを選び、どの順番でアクションを行っていくのか、その選択が悩ましくも楽しいゲームでした。一定数のポーションを作成したり、宝石を獲得したりすることで、レベルアップ等のアクションを追加で行えたりもするので……その効果を上手く繋げて、効率よくダンジョン攻略を進めていくのが大事なゲームでしたね。マジックアイテムの効果でポーションを作成し、ポーションの一列が埋まった効果で英雄のレベルアップができて……と、ちょっとした連鎖が決まると気持ちが良いです。

 初回プレイでは、約60点でゲーム終了。目標点や点数の目安みたいなものが欲しかったなぁと思ったりもしましたが……お手軽にダンジョン探索が味わえる、楽しいゲームでした。物語が設定されているキャンペーンモードもあるので……そちらは時間があるときに、ゆっくり楽しみたいと思います。