久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「エルダーサイン」(改訂2版)ソロプレイ

 クトゥルフ神話を題材にした、協力型のダイスゲーム。様々な冒険に挑み、旧き印を集め、エンシェントワンの復活を阻止しようというゲームです。最大8人まで遊べるゲームですが、ソロプレイもできるということなので、挑戦してみました。
 場に、復活しようとしているエンシェントワンのカード、時間経過を管理する時計、移動先の一つであるエントランスシート、冒険先となる冒険カードとその山札、ゲーム中様々な効果を示す神話カードとその山札、アイテムカードや呪文カード等の山札、不透明な袋等に入れたモンスターマーカー、それに各種トークンと専用ダイスを置きます。プレイヤーは自分が操る探索者のカードと移動先を示すための探索者コマ、正気度と耐久度を管理するためのトークンと初期装備を受け取ります。これで準備完了。
 手番は、移動先のエントランスシートか冒険カードの上に自身のコマを置く移動フェイズ、移動先のエントランスシートの効果を利用するか、冒険カードに挑戦する解決フェイズ、時計の針を動かす時計フェイズの三つに分かれています。
 解決フェイズで冒険カードに挑戦するとき……冒険カードにはクリアすべきタスクがいくつかあり、専用ダイスを振って、各タスクに描かれたアイコンの目を出すことができれば、その冒険カードはクリアされたことになります。クリアした冒険カードと、その報酬となるアイテムカードや旧き印等のトークンを受け取るわけですが……難しいのは、各タスクはそれぞれ別に挑戦しなければならず、アイコンが出たダイスはその上に置かなければならないということ。ダイスを振った際、複数のタスクをクリアできる目が出たとしても、ダイスを置けるのは一か所のタスクだけであり……またタスクをクリアすればするほど、振ることのできるダイスも減っていってしまうことになる。最初に振れるダイス6個に対して、クリアすべきタスクは1~3か所ぐらい、それぞれ必要なアイコンが複数あることもあり、また神話カード等の効果によってモンスターマーカーが冒険カードに配置されたときは、そのモンスターマーカーもクリアすべきタスクになってしまう。普通にダイスを振るだけでは、とてもクリアできるものではなく……そこで重要になってくるアクションが、ダイスの出目を確保しておくアクション。タスクのクリアに失敗した際に一個だけダイスを確保しておける「フォーカス」や、ダイスを確保できる呪文カード等を利用し、必要なダイスを用意しておくことで、後の挑戦を成功しやすくすることができます。また、ダイスの数を増やせるアイテムカードや、ダイスを振りなおせる「手がかりトークン」等もあり……冒険を有利にするそれらアイテムカードやトークンを入手するために、どの冒険カードに挑んでいくのか考えるのも、大事なゲームでした。
 もう一つ難しいのは……時計の針が一周する度に、「深夜12時」の効果を処理しなければいけないということ。場に並んでいる冒険カードにその効果があればそれを処理しなければならず、また神話カードをめくってその効果も処理しなければなりません。それによってモンスターが現れたり、探索者の正気度が減ったりするので……それらペナルティも苦しいものでした。
 探索者が死亡しても、すぐそのプレイヤーがゲームオーバーになるわけではないというのが、ちょっと特殊なところ。ゲームには複数人の探索者が用意されているのですが、まだ死亡していない探索者がいる場合は、その一人を使ってゲームを続けることができます。ただし、探索者死亡によってエンシェントワンが復活した場合と、エンシェントワンとの対決時に探索者が死亡した場合は、そのプレイヤーはゲームから脱落することになります。

 ゲーム中のペナルティや探索者の死亡によって、破滅トークンがエンシェントワンの上に置かれていき……それがいっぱいになると、エンシェントワンは復活してしまいます。その前に、エンシェントワンを封印するのに必要な数の旧き印を集められるか、または復活してしまったエンシェントワンに挑んで倒すことができれば、プレイヤーの勝利。ゲームで用意されている探索者がすべて死亡してしまった場合、ゲームオーバーとなります。
 ルールを一通り読んでの初回プレイ……実際に遊んでみると、本当に難しいゲームでした。6個のダイスで必要な出目を確保していくのは、想像していたよりもずっと難しく。モンスターが結構出てくることもあって、冒険カードをクリアすることがなかなかできない。冒険カードの挑戦に失敗した際のペナルティで正気度や耐久度を減らされてしまうこともあり、それを回復するためにエントランスシートに行けば余計な時間が経過してしまって時計の針が動いてしまう。冒険カードがクリアできないので、アイテムカードなども思うように手に入れられず……結果、三人目の探索者の死亡によってエンシェントワンが復活してしまったので、そのままゲームオーバーとなりました。なお、プレイ時間は約90分でした。
 ソロプレイだと、他のプレイヤーと協力することがまるでできないので、それも厳しいですね。他のプレイヤーの探索者がいる場合、その探索者の協力によってダイスの出目を確保できるアクションもあるので……そういった助けが無いとほんと苦しい感じです。探索者が死亡してもすぐゲームオーバーになるわけではなく、他の探索者によってゲームを続けることができるのですから、無理に正気度や耐久度を回復させようとするより、ある程度探索者を犠牲にしてしまった方がいいのかもしれませんね。
 初回プレイを通して反省点も見えたので、また挑戦してみようと思います。プレイ時間が長めなので、ちゃんと時間があるときに、じっくりと遊びたいですね。