久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「Discipline(ディシプリン) ~ジェレミア魔法学校の3年間~」ソロプレイ

 魔法学校の生徒指導を題材にしたゲーム。先生となって生徒を見守り、落第生を出さずに皆を卒業させることを目指すゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイルールのものになります。
 最初に、4クラスの中から担任として受け持つクラスをランダムで一つ選び、そのクラスの生徒カードと席番号カード、イベントシート、担任カードを受け取ります。生徒は1クラス12人、その生徒カードをシャッフルして、横3枚・縦4枚となるように場に並べます。それから、席番号カードをシャッフルして3枚を引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にパワーマーカーを1個ずつ置き……続けて同じように席番号カードをもう3枚引いて、その席番号の位置にある生徒カードの上に、ネガティブマーカーを1個ずつ置きます。その後、席番号カードをまとめてシャッフルして山札を作り直し……進行カードの学年「1st year」のマスと、進行カードのフェーズ「席替え」のマスに、ターンマーカーをそれぞれ置いて……ゲームの準備は完了となります。
 ゲームの期間は3年間。1年の最初は「席替え」から始まり、合計6回の「授業」と合計2回の「職員会議」を行い、最後に「リシャッフル」で席番号カードの山札を作り直して、1年間が終わることになります。
 各学年最初のターンとなる「席替え」では、場に並んだ生徒カードから2枚を選び、その位置を交換することができます。
「授業」のターンは、「一斉授業」と「個別指導」の2フェーズで構成されています。「一斉授業」ではまず席番号カードを1枚引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にパワーマーカーを1個置きます。続けてもう1枚席番号カードを引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にネガティブマーカーを1個置きます。このとき、ネガティブマーカーを置かれた生徒カードと、その上下左右にある生徒カード、それぞれの上にあるパワーマーカーの数を比べ……ネガティブマーカーを置かれた生徒よりもパワーマーカーの数が少ない生徒は、その影響を受けてネガティブマーカーを1個置かなければなりません。「一斉授業」の次の「個別指導」では、場の生徒カードを1枚選び、その上にパワーマーカーを1個置くか、もしくは置かれているネガティブマーカーを1個取り除くか、どちらかのアクションを行うことになります。また、生徒カードには特殊な効果を持つものもあり……「一斉授業」ではパワーマーカーを配置できなかったり、逆にパワーマーカーを2個配置できる等、様々な生徒がいます。
「職員会議」では、席番号カードを2枚引き、そのどちらか1枚を選び……イベントシートに記載された、その席番号カードの位置にある生徒のイベントを処理することになります。
 1枚の生徒カードの上に置けるパワーマーカーの個数は最大5個。またネガティブマーカーの個数は最大3個までとなっており……ネガティブマーカーが4個置かれてしまった生徒は休学となり、その生徒カードの上に置かれたすべてのマーカーを取り除き、カードを裏返しにしなければなりません。復帰させるには、「職員会議」のターンで、その生徒の位置の席番号カードが引かれた際に、その席番号カードを選ぶ必要があります。
 3年の期間を終え……最後の「卒業試験」として、「個別指導」「一斉授業」の順番で「授業」のときと同じアクションを行い、ゲーム終了となります。ゲーム終了時、休学している生徒と、生徒カードの上に1個もパワーマーカーが置かれていない生徒は落第となり……ソロプレイでは、落第生が3人以上いる場合は、「教員失格」の評価を受けてしまうことになります。落第生が0名なら「一流教員」となり、もちろんその評価を目指してゲームをすることになります。
 生徒を見守り指導する先生の大変さを疑似体験するかのようなゲームでした。様々な特徴を持った生徒たち。天才で「一斉授業」で多くのパワーマーカを手に入れられる生徒もいれば、勉強が苦手で「個別指導」でないとパワーマーカーを配置できない生徒もいて……一匹狼で周囲のネガティブマーカーの影響を受けない生徒もいれば、同じクラスの生徒が休学したらそれを気にしてネガティブマーカーが配置されてしまう生徒もいる……生徒カードの上のマーカーの個数に目を配り、「個別指導」で調整をしていかないと、パワーマーカーが配置されないままの生徒や、休学に追い込まれてしまう生徒が出てきてしまったりします。「職員会議」で起きるイベント……生徒の起こすトラブルによってもネガティブマーカーが配置されたり、逆にパワーマーカーが取り除かれてしまったりすることもあり……まったく気が抜けないゲームでした。登場キャラクターはみんな女の子たちなのですが……クラスメートの影響を受けやすい、繊細な少女たちの難しさが表されているかのようでもあり……遊んでいて、先生はほんと大変だなぁと思ったりもしました。
 キャラクターのイラストは可愛く、特殊効果や「職員会議」でのイベントから、生徒たちの個性も伝わってきて……遊びながら、いろいろな物語が想像できるのも楽しいところでした。ゲームを進めていくうちに生徒に対して自然と愛着がわいてきて、皆を無事卒業させてあげたいと思えてきたりもしました。
 2回遊んでみて……1回は「新人教員」、もう1回は「一流教員」としてゲームを終えられました。4クラスあり、それぞれ生徒が違っているので……他の2クラスでも遊んでみようと思います。
 複数人プレイでは、「個別指導」の際に他のクラスの先生に協力を要請したり、「職員会議」では全員で相談してどの生徒のイベントを起こさないか決めるなど……協力ゲームとしての要素が加わる感じになっています。より先生の疑似体験ができる感じになっているようで……いつか、複数人プレイでも遊んでみたいですね。