久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「テラフォーミング・マーズ」ソロプレイ

 名前の通り、火星のテラフォーミングを題材にしたSFボードゲーム。火星開発に関わる企業となり、様々なプロジェクトを行うことでテラフォーミングを達成することを目指すゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイでのものになります。

 火星のテラフォーミングを達成するために必要な、酸素濃度・気温・海洋の三つのグローバル・パラメータ。ソロプレイでは、14世代(ラウンド)が終了するまでにその目標を達成する必要があり……それが出来なかった場合は、ゲームオーバーとなってしまいます。

 プレイヤーが手番で行えるアクションは、資源の一つ「メガクレジット」を支払って様々な効果を持つプロジェクト・カードをプレイする、資源の一つ「メガクレジット」を支払って海洋タイルを配置したり気温を上昇させたりする等の標準プロジェクトを行う、資源の一つ「植物」を消費して酸素濃度を上げる緑地タイルを配置する、資源の一つ「発熱」を消費して気温を上昇させる、など多くのものがあります。アクションを行わないパスを選択したところで、その世代は終了。プレイヤーボード上の各資源の産出表の数値に従って、各資源の入手等を行う産出フェイズを経てから次の世代のプレイを始めることになります。

 ゲームの大きな特徴になっているのが、プレイヤーが務める企業カードと、手番でプレイするプロジェクト・カードの豊富さ。企業カードはその企業の個性を表すかのように、最初に持っている資源の量や特殊効果がそれぞれ違っており、どの企業でプレイするかによって、ゲームの進め方も大きく変わってきます。また、二百枚以上あるプロジェクト・カードはすべてその効果が違っており、どのカードをどのタイミングで使うか、自分の企業の弱点をどう補い、また強みをどう活かすのか、そういった作戦を考えるのが難しくも非常に楽しいものになっています。プロジェクト・カードは、ゲームのセットアップ時と、各世代の最初に配られるのですが、その中から手札に残すためには「メガクレジット」を別に支払ってカードを買う必要があるのもまた悩ましいところでした。

 最初は資源の量も少なく、多くのアクションは行えませんが……テラフォーミングへの貢献度によって「メガクレジット」の産出量が増えていき、またプロジェクト・カードの効果等によって産出フェイズでの各資源の産出量も増えていき……資源が増えたことで多くのことができるようになり、その結果、テラフォーミングに更に貢献し、資源の産出量ももっと増やすことができ、それによって次の世代ではまた更に多くのことができるようになっていく……そのゲームの流れが、企業の成長と火星の発展を表現しているかのようでもあり、とても魅力的で楽しかったです。

 遊び始めて最初の数回は、何をすればいいのかよくわからず、ゲームオーバーになってしまっていましたが……カードの使い方がわかり、グローバル・パラメータを上げていくために必要なことが理解できるようになってからは、最低限クリアはできるようになってきました。クリア後の勝利点は、今のところだいたい65点前後。ただ、企業カードによっては、あと少しのところでテラフォーミングが達成できず、ゲームオーバーになってしまうこともあったりしますが。ソロプレイでやりやすい企業と、難しい企業がある感じではありました。

 ヘビーゲームと呼ばれる類いのボードゲームで……ルールの内容を理解するまでにまず時間がかかりますし、1プレイも最低1時間以上は必要とする重いゲームではありますが、その分やり応えのある面白いゲームでした。

 

 

 拡張ルールもたくさん発売されているみたいですし、そちらにもいつか挑戦してみたいですね。