久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「恐怖」

 筒井康隆さんのブラックユーモアサスペンス小説。
 地方の町で起きた文化人連続殺人事件。その第一の被害者を見つけることになってしまった作家の男は、自分も殺されてしまうのではないかという恐怖に捕らわれてしまうのだが……といった感じのお話。
 小心者の男の振る舞い……恐怖のあまりおかしな行動をとり、冷静さを取り戻したかと思えばまた変になってしまう……その様子が独特なブラックユーモアで描かれている作品でした。
 ちょっと奇妙な味わいを感じさせられるお話でもあり……不謹慎な笑いがくすりと漏れてしまうようなところもありました。

 

 

「トリプルヘッドジョーズ」

 テレビ放映されたものを視聴。
 突然変異によって生まれた、三つの頭を持つ凶暴な巨大サメ。そのサメに襲われる人々の恐怖を描いたサメ映画。
 オーソドックスなサメ映画といった感じの作品でした。
 サメが暴れる描写は割と良かったと思いましたが……主人公たちの行動は行き当たりばったりというか、ただ事態に翻弄されているといった感じで……その点少し物足りなかったですね。もう少し、脅威に立ち向かうような描写が欲しかったです。
 最後のサメの倒し方も今一つ。描写にもう一工夫欲しかったですね。
 ちょっと残念。

 

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「おひめさまナビゲーション」第3巻

 見習い占い師の少女たちの物語。最終巻。
 おとぎ話の世界でオーブ集めを続ける占い師の少女たち。彼女たちはやがて、「魔女占い」の秘密と対峙することになるのだが……といった感じのお話。
 少女たちのやり取りが楽しく、その振る舞いや表情の変化が非常に可愛い作品でした。
 登場キャラクターが多いこともあって、一人一人の個性や心情が描き切れていないように思えてしまうところもありましたが……もう一冊ぐらいあれば、もっと丁寧に描けたと思うので、そこは少し残念でした。
 巻末のおまけ4コマはとても楽しくて良かったです。

 

 

「俺たちに明日はない」

 テレビ放映されたものを視聴。有名なボニーとクライドの物語。
 田舎町でウエイトレスをしていたボニーは、ある日、クライドと出会う。クライドに惹かれたボニーは、彼と共に町を出……仲間と共に強盗を繰り返しながら各地を転々としていく。やがて彼らは警察に狙われ、追い詰められていくことになるのだが……といった感じのお話。
 束の間謳歌した自由は失われ、不自由な逃避行へと変わり……どこか違う場所に辿り着けることを夢見ながら、でもどこにも辿り着けず、あっけない最後を迎えてしまう……そんな若者二人の物語でした。
 犯罪行為は擁護できるものではなく、その振る舞いは軽率で愚かにも見えてしまいますが……人生で選べる選択肢が多いとは言えない田舎町で、彼らもその時代と地方の閉塞感に苦しめられていたのかもしれないと想像したりもして……もっとまともな選択もあっただろうに、それを選べずどうしようもない方向へ進んでいってしまう姿が哀れにも思えてしまいました。人生の最後は本当にあっけなく、そしてその後が語られることもない映画のエンディングが、より物悲しさを強調しているようにも思えました。
 結果的にある種の伝説となり、こうして様々な形で語られ……またはネタにされてしまうことになったボニーとクライド。もし二人の魂が存在したら、何を思うのだろうなぁ、なんてことを考えてしまったりもしました。

 

 

「脳トレチャレンジパズル Vol.4 タタムグラム」

 ダイソーで販売されているボードゲームやパズル等の一つ。両面の一部が塗られているシートを折って畳んで、問題のシルエットの図形を作ろう、といった感じのパズルゲームです。全30問。
 シートは3色1枚ずつ、問題によって使う枚数が決められており、使用するシートは必ず2回折らなければいけません。複数枚のシートを使用する場合は、折った後にシートを繋げて図形を作り……シートを離して置いたり、一部を重ねたりしてはいけません。また、問題カードには折った後のシートの形……正方形もしくは長方形……が描かれており、それが問題を解くヒントにもなっています。
 手軽に遊べるパズルゲーム。両面の色で塗られているところを意識しながら、どう折れば問題のシルエットを作れるのか考え、いろいろ試していくのが楽しいパズルでした。
 シートは4人分用意されていて、「ナインタイル」や「ウボンゴミニ」のように、完成の速さを競う対戦ゲームとしても遊べるようになっています。短い時間で気軽に遊べるので、重いボードゲームの間にプレイするのも良いかもしれませんね。

 

「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON 浅き夢の暁」

「マギアレコード」テレビシリーズ最終章。
 神浜市が特殊な状況となった経緯と、環いろはの妹の存在が消えてしまった理由……それらの真相が語られると共に、多くの魔法少女たちの最後と、その悲劇の後も生きていく少女たちの姿が描かれていました。
 誰かを助け、ある種の望みを叶えた末に消えていく者もいれば、自分の弱さにのまれ、魔女と化してしまう少女もいて……少女たちの悲痛な思いと、切ない最後が描かれていくのは、「まどか☆マギカ」らしいなぁと思いました。
 いくつもの別離を受け入れた後に……ままならない世界で、それでも手を取り合って生きていこうとする魔法少女たちの姿には、希望を感じさせられるところもありましたね。いつかは「魔法少女まどか☆マギカ」本編へと収束されていくことになる、消えていく宿命を持った「外伝」の物語……それでも、今ここで描かれた少女たちの思いも大切で尊いものなのだと、思わせてくれる最後でした。
 良い作品だったと思います。原作ゲームの方も、ちょっとやってみたくなりますね。

 

 

魔法少女まどか☆マギカ」本編の続編、その公開も楽しみです。

 

「坂本ですが?」第2巻

 クールでスタイリッシュな高校生、坂本の日常を描いた学園コメディ。
 シュールでナンセンスなギャグ漫画。おかしな行動や突飛な振る舞いまで、大げさにかっこよく描かれていて……そのギャップが非常に楽しい漫画でした。