久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「転生王女と天才令嬢の魔法革命」

 魔法を愛しながらもその才能を持つことができなった王女アニスフィアと、才能に恵まれながらもそれを活かす自分の意志を持てなかった貴族令嬢ユフィリア。二人を中心に描かれる、ファンタジーアクション+百合といった感じの作品。

 自分が求めるものと自分の才能や立場が違うことによるギャップ、それらによる苦悩が強調されて描かれているお話だったように思いました。1話を見たときは、もっとお気楽なお話になるかと思っていたので……想像していたよりも重たいお話だったことに、ちょっと驚いてしまったりも。アニスフィアの内面も複雑なものでしたしね。

 破天荒でマイペースなお姫様に助けられて、自身の役割や責任に捕らわれていた貴族令嬢の心が解放されていくようになる、といった感じで物語が語られていき……お姫様の影響で自身の確かな意志を手に入れた貴族令嬢が、実際は誰よりも自身の役割や責任、アイデンティティに悩み苦しんでいたお姫様を救うことになる、といった感じで落着するお話の構成は、とても美しくて良かったと思いました。

 キャラクターの心情描写だけでなく、アクション面でも結構見応えのある作品で……魔法の描写等かなり好きでした。

 正統派のライトファンタジーとして面白い作品だったと思うので……このお話の続きがあるのなら、アニメでもまた見たいですね。