久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「春待ち村」ソロプレイ

 山間の村の過酷な冬に耐え、春まで生き残ることを目指す感じの、タイル配置型ゲーム。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイルールでのものになります。

 通常プレイでは最後まで生き残ったプレイヤーが勝者となるゲームですが、ソロプレイでは、12ラウンドの生存を目指すことになります。

 各ラウンドは、お金の収入を得る収入フェーズ、屋敷の拡張と労働者の雇用を行う建設/雇用フェーズ、館の状態と食料の確認を行う環境チェックフェーズ、吹雪もしくは狼など冬の試練が訪れる大自然の脅威フェーズ……の四つで構成されています。(尚、第1ラウンドの前にのみ、労働者一名を無料で配置する等を行う準備ラウンドがあります)

 ゲームの中心となるのは、建設/雇用フェーズ。個人の屋敷シートに描かれた最初の9マスの部屋に、コストを支払って部屋カードを繋げたり、労働者を雇ってその労働者コマを配置したりします。最初の屋敷シートと部屋カードには、お金を増やす収入、労働者に必要な食糧である肉、吹雪に耐えるために必要な暖かさ、狼を撃退するために必要なナイフ、等のアイコンが描かれており、それらアイコンが繋がるよう部屋カードを配置することで、その効果を上昇させることができます。また、労働者コマは隣接するすべてのアイコンとして使うことができるので、労働者コマをうまく配置することで、繋がるアイコンの数を増やすことができます。

 部屋カードを配置する際に気をつけなければいけないのが、カードを置いた結果、屋敷の壁に穴ができ、最初の9マスの部屋に冷たい外気が入り込まないようにすること。もし9マスの部屋に外気が入り込んでしまった場合は、環境チェックフェーズで、プレイヤーの生命点とも言えるハートコマを一つ支払わなければなりません。また、労働者を雇用した後は、その食料として同数の肉のアイコンが必要となり、その必要数の肉のアイコンが繋がっておらず、また不足分をお金で支払うこともできなかった場合も、環境チェックフェーズでハートコマを支払うことになります。

 最後の大自然の脅威フェーズでは、ダイスを1個振り、狼の襲来や吹雪の発生に耐える必要があります。狼に対してはナイフのアイコンが、吹雪に対しては暖かさのアイコンが必要となり、それが不足している場合もやはりハートコマを支払うことになります。

 ゲーム開始時に持っていたハートコマがすべて無くなり、ハートコマがゼロの状態で更に支払わなければならなくなった場合はゲームオーバー。ハートコマを支払わずに済み、12ラウンド終了時まで生き残ることができたら、プレイヤーは勝者となり、無事に冬を越すことができたことになります。

 難易度高めの、タイル配置型の生き残りゲームでした。部屋の建設や労働者の雇用のための収入、労働者を養うための肉、狼を撃退するためのナイフ、吹雪に耐えるための暖かさ……どれも疎かにできず、どのアイコンを優先するのかが本当に悩ましい。難しいのは、ゲームが進み冬が深まるにつれて、大自然の脅威フェーズで振るダイスが増えること。それによって、吹雪に耐えるための暖かさがより多く必要になったり、吹雪と狼、両方に同時に襲われることになったりもするのが厳しい。ゲームが進むと、狼襲来時に必要なナイフの数も増え、また狼の襲来回数により、館の食料(肉)にマイナス効果がつくようになるのも大変つらい。本当に、過酷な冬を越すのが難しいゲームでした。

 何度か遊び、今のところ生き残れたのは7ラウンド目まで。「吹雪の目撃者」。半分を越すのがどうにかやっと、といった感じでした。大自然の脅威で振るダイス等、若干運に左右されるところもあり……よほど運に助けられないと、12ラウンドを生き残るのは難しいように思えました。

 春は遠いですね。