久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「バケモノの子」

 7月19日、同人仲間と新宿で見てきました。細田守さんの最新作。
 母を亡くした少年が、バケモノの世界に迷い込んでしまい、そこで粗暴なバケモノの弟子になることになって……というお話。孤独な少年とバケモノの疑似家族の物語でもありましたね。
 登場キャラクターが多く、全体的に詰め込みすぎのようにも思いましたが……少年の成長譚として、しっかりキレイにお話をまとめられていましたね。一度は現実を拒絶し、また自分の闇に呑まれそうになった少年が、自分を育ててくれたバケモノたちや、現実世界で出会った少女等との結びつきによって、ちゃんと元の世界へと戻っていく流れが丁寧に語られていました。同時に、孤独だった一人のバケモノが、少年の師匠となることで、誰かを思いやる心と絆を得る姿も自然に描かれていたと思います。
 非常に良い作品でした。次回作も楽しみになってきますね。