先日、友人たちと新宿ピカデリーで見てきました。監督、伊藤智彦さん、脚本、野﨑まどさんによるSF青春映画。一応ネタバレになりかねない感想になっていますので、まだ見ていない方はご注意下さい。
引っ込み思案で自己主張のできない本好きの少年、堅書直実。彼はある日、不思議な男と出会い、この世界の秘密を教えられる。そして更に、直実と同じ図書委員の少女、一行瑠璃、彼女と恋人同士になるように言われるのだが……というお話。
男の指示に従い、一行瑠璃との関係を深めていくだけだった直実が、やがて自分の意思で彼女を助けたいと思うようになっていく姿……少年少女の関係が深まっていく様子がテンポよく、そして気持ちよく描かれていました。美しい青春といった感じ。だからこそ、物語の後半で少年が、残酷な真実に一度は打ち負かされ……それでも彼女を助けようとする一途な思いに胸を打たれました。
主人公たちに感情移入させながら、この物語の世界について説明をしていくことで、難しいSF設定を無理なく観客に伝えていく描写力もすごいなぁと思ったりしました。
最後はいろいろな解釈ができそうな終わり方ですが……それも含めて、私はこれは、人の一途な思いを描いた美しい物語だと思いました。

HELLO WORLD if ー勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をするー (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 伊瀬ネキセ,映画『HELLO WORLD」,堀口悠紀子
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小説の方も読んでみたくなりました。