久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「アンドールの伝説カードゲーム 災いの島の冒険」ソロプレイ

 有名なファンタジーボードゲームシリーズの一作。嵐によって船が沈み、ある島に流れ着いてしまった勇者たち。追ってくる怨霊と、目の前に立ち塞がる敵、それらの脅威と対峙しながら、島からの脱出を目指すことになる……といった感じのすごろく風ボードゲームです。勇者二人の冒険を描いた二人用ゲームですが、ソロプレイ用の勇者も一人用意されているということなので、遊んでみました。
 シナリオにあわせて、初期領域と最終領域の地図を場に置き、その二枚の間に中間領域の地図を二枚、こちらは裏にした状態で置きます。冒険中の脅威となる霧カード(多くは敵となるカード)をシャッフルして補充用山札として場に置き、その中から初期領域の地図に記された枚数だけ、初期領域の地図の近くに現在の山札として置きます。プレイヤーが使用する勇者カードを三枚場に並べ、その各列に一枚ずつ、怨霊カードを最初は裏面にして、最後尾にセットしておきます。初期領域の地図上に、勇者コマと怨霊コマをそれぞれの開始マスに置き、その他冒険中に使う意志力トークンや装備カード、特殊カード等を必要に応じて用意して……準備完了となります。
 自分の手番では、勇者カードが一枚ずつある三列のカード、その最前列にあるカードのどれか一枚を選び、その効果の指示に従うことになります。勇者カードは自分のコマを進めるための移動力や、他の列にある敵を倒すための攻撃力、装備等を手に入れたりする特殊能力を持ち……怨霊カードは勇者を追っていく怨霊コマを進めたり、脅威となる霧カードを引いたりする等、勇者にとって不利となる効果を持っています。霧カードの多くは勇者の敵となるカードであり、勇者にとって不利となる特殊能力を持っており……その特殊能力の指示に従うか、他の列の勇者カードの攻撃によって倒されることでゲームから除外されるまで、最前列に留まることになります。その他に勇者を助ける効果を持つ装備カードや、シナリオにあわせた特殊カード、ソロプレイでは基本的に使用しませんが勇者を助ける同盟者カード等があります。

 大事なのは、手番で使用できるカードは各列の最も前にあるカードだけであり……使用したカードは(ゲームから除外されたもの以外は)各列の最後尾に置かれるということ。手に入れた装備カードや山札から引いた霧カード等も、その際に使用したカードのある列の最後尾に置かれ、その列に加えられることになるので……カードの列の構成を考えてプレイすることが非常に大事なゲームでした。
 コマを進めていく地図上のマスには、そこに移動するために必要な数値が設定されており……基本的には勇者カードに記載された移動力を選んで使用して、コマを進めていくことになります。使用した移動力に関係なく、必ず止まらなければならないマスもあり……その他、マスやルートによって、装備カードや意志力トークンを得る等の勇者を助ける効果や、逆に意志力トークンを失ったり怨霊コマを進めたりするペナルティ等も設定されていて……なかなか容易にコマを進められないようになっています。
 地図の端のマスにコマが到着したら、次の地図を表にして、指示に従って新たな霧カードの山札を作り、またコマを進めていき……最終領域の地図のゴール地点となる目的地マスに勇者コマが辿り着いたら、そのシナリオはクリア。その前に怨霊コマに追いつかれてしまうか、地図にあわせた霧カードの山札が尽きて引けなくなってしまうか、最前列のどのカードの指示にも従えなくなったりした場合は、ゲームオーバーとなります(二人プレイでは、他にもゲームオーバーとなる状態があります)。
 各列に勇者カードは一枚、怨霊カードも一枚、という構成なので……一回勇者カードを使用したら、その後怨霊カードも一回は選ばないと、その列の勇者カードは使用できなくなってしまうというのが難しいところですね。勇者カードを使ってコマを進めれば、怨霊コマもまた追いかけてきたり、脅威となる敵を呼び寄せたりしてくることになり……加えて怨霊コマは地図上の最短の道を進んでくるので、のんびりしているとほんとあっという間に追いつかれてしまうことになります。かといって進むことばかり優先していると、ルートを進むために必要な意志力トークン等が足りなくなってしまいかねないので……一旦必要なマスで止まったり、敵を倒すことで意志力トークンを手に入れたりする必要もあります。どの列の勇者カードを使ってコマを進め、どの列に装備カードや霧カードを加えていくか……またどのルートを進み、どのペナルティを受け入れるか……すごろく風のゲームではありますが、簡単にコマは進められない……カード使用の選択も悩ましく、考えることの多いゲームでした。自分のすぐ後ろまで怨霊が迫り、進む道を阻む敵までいる……そんな緊迫感のある冒険が楽しめるゲームですね。
 一回目は、二枚目の地図に入ったところですぐゲームオーバーになってしまいましたが……再挑戦して、意志力トークンは使い切り、使用できる装備もなく、脅威となる敵もいて、怨霊コマもすぐ後ろ……というギリギリの状態で、どうにか最初のシナリオ「剣山岩礁」をクリアすることができました。
 やり応えのあるゲームでしたね。残りの三つのシナリオも、順に挑戦していきたいです。