久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ライトノベル」第4巻

 なるしまゆりさんのサスペンスコミック、最終巻。

 拉致されていた左々暗龍は警察に保護され、首謀者である少女、橘愛友里は捕まり、一区切りを迎えたとも言える事件。龍は愛友里との面談を求めながら、彼女について、事件について、そして自身がフィクションを書く理由について考え続けるのだが……といった感じの展開。

 不可思議なサスペンスを通して、フィクションの娯楽物語を作る意味や、それらを享受し、または消費することの是非について考えていこうとする作品だったように思います。

 創作物による悪影響の有無、創作物を規制することの是非。それらの議論は続き、人それぞれ価値観が異なる以上、結論が出ることはなく、ずっと続いていく問題なのでしょう。私は基本的に表現規制には反対している立場ではありますが……その表現について、ただ楽しむだけでなく、時にはちゃんと考えることも必要なのだろうと思いもしました。