久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

その他書籍

「神、この人間的なもの 宗教をめぐる精神科医の対話」なだいなだ

老境に達した二人の精神科医、一方は無神論者のB、もう一方はカトリックのT。古い友人でもあった二人が再開し、自分の精神科医としての人生を振り返りながら、宗教をめぐる対話をする、という内容。 宗教だけでなく、政治思想や愛国心も含めて、信仰や拠り…

「地図のファンタジア」尾崎幸男

地図や測量に関しての蘊蓄雑学本。歴史の流れを変えたかもしれない誤測。コロンブスの新大陸発見に関する話。「宝島」や「紅はこべ」等の小説に出てくる地図を、もし実際に作ろうとしたらどれぐらいの経費がかかったのかという話や、四色問題の話等。 小説に…

「電気発見物語 見えないものが、どのように明らかになったか」藤村哲夫

電気の発見と利用の物語。電気の発見から研究、様々な発明と社会での利用、現在に至るまでの歴史。 図や写真が豊富で、電気に関する研究や応用の流れを知るにはとても良い本だと思います。 電池の仕組みの解説等は、科学が苦手だとちょっと難しいというか、…

「ビギナーズ・クラシックス 竹取物語(全)」角川書店編

「竹取物語」の全現代語訳と原文、解説とそれに多数のコラムを載せた入門書。 訳文が中心の構成で、お話の全体を知ることができるのは良いですね。ただ解説が若干くだけすぎていて、また編者独自の解釈だと思われる箇所も多く、その辺ちょっと気になってしま…

「マンガ脳科学入門 心はどこにある?」アングス・ゲラトゥリ、オスカー・サラーティ

イラスト中心の脳科学入門書。マンガと書かれていますが、コマ割りの普通の漫画ではなく、大きなイラストによる解説といった感じです。イラストが豊富でわかりやすい内容ですが、章分けが少し曖昧で、ちょっとまとまりに欠けているようなところがあるのがマ…

「ウイルス進化論 ダーウィン進化論を超えて」佐川峻、中原英臣

積み本消化。突然変異と自然淘汰による生物の進化を否定し、ウイルスによって種を超えて運ばれた遺伝子が生物を進化させる、というウイルス進化論。ネットで少し調べると、あまり評判がよくないというか、正統な科学学説としては認められていないようですが…

「日本の刑務所」菊田幸一

日本の刑務所の問題、受刑者の人権を無視しているかのような処遇、人権規約が守られているとは言い難いその実態について、批判的に論じられています。 刑務所の秩序維持や受刑者の管理のために、厳しい規律等は必要でしょうけれど、だからといって虐待のよう…

「ビジネス版 悪魔の辞典」山田英夫

皮肉や風刺を込めたビジネス用語解説書。アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」の発想で書かれたそうです。 上手いなぁと思えるネタもあれば、今一つのものも。無理にギャグをいれようとして、失敗しているものもあるように思えました。ビジネス版 悪魔の辞…

「世界紛争地図」松井茂

積み本消化。かなり古い本ですが……前世紀の本ですよ、もう……。 世界各地の紛争、衝突について、地図とともに説明された本。各章が短くまとめられているので、読みやすくわかりやすいです。 それにしても、世界はほんと火種だらけですね。いつどこで何が起き…

「生命をあやつるホルモン 動物の形や行動を決める微量物質」日本比較内分泌学会

ホルモンについての解説書。魚や虫の変態や、動物の求愛行動等にかかわるホルモンについて、丁寧に説明されています。図や写真も豊富。多少、教科書的なところがあるので、人によっては退屈に感じてしまうかもしれませんが。生命をあやつるホルモン―動物の形…

「地球(ガイア)のささやき」龍村仁

積み本消化。映画「地球交響曲」の監督のエッセイ集。スピリチュアルやニューエイジ系のお話。 最近もパワースポットというものが話題になっているようですけど、90年代もいろいろ流行っていたなぁと、昔のことを思い出したり。「聖なる予言」なんて本もあ…

「日本の軍事システム 自衛隊装備の問題点」江畑謙介

少し古い本ですが。専守防衛戦略をとらざるを得ない自衛隊の装備が、果たしてその戦略に相応しいものなのかが検証されています。 装備の有用性や費用対効果等を検証しながら、繰り返し「国民一人一人の問題」であり、もっと国民が防衛問題に関心をもって考え…

「歴史にはウラがある」ひろさちや

歴史の雑学ネタ本。日本史中心で、海外ネタは少なめ。書名から想像されるような、「ウラ」事情のようなネタもあまりありませんでした。幕末の北海道の独立国の話等は、結構定番ネタですよね。 一つ一つのネタが短く、コラムのようにまとめられているので、気…

「世界の論争・ビッグバンはあったか 決定的な証拠は見当たらない」近藤陽次

宇宙論の入門書。古代の宇宙観から、現代のビッグバン論や定常宇宙論の論争に至るまでの、宇宙論の変遷についてまとめられています。全体の半分ほどが宇宙観・宇宙論の歴史、移り変わりについてなので、ビッグバン論の真否が中心になっているようなタイトル…

「ああ!! 女が日本をダメにする」安部譲二

積み消化。もう10年以上前の本で、文庫版も8年前の出版になりますが……この手の社会批判、マナー批判の内容は今も昔もあまり変わらないですね。昔の新聞等にもマナーの悪さを嘆く記事は載っていたそうですし、それこそ若者批判なんかは古代からあったらし…

「裁判官はなぜ誤るのか」秋山賢三

元判事の弁護士である著者が説く、日本の裁判の問題点と、冤罪や誤判が起きてしまう原因。あまり知られていない裁判官の日常生活や日々の仕事、それに今後改善していくための提言も記載されています。冤罪・誤判の具体的事件として、徳島ラジオ商殺し事件、…

「とある科学の超電磁砲 OFFICIAL VISUAL BOOK」月刊コミック電撃大王編集部編

短編アニメ収録のDVD目当てに購入。本自体は、主に過去の版権イラストを収録した内容で、主役4人のイラストが中心。アニメ全24話の各話解説も、短いですが収録されています。本当にイラスト中心のビジュアルブックで、読むところが極端に少ないのは好みが…

「シュレディンガーの猫は元気か サイエンス・コラム175」橋元淳一郎

科学雑誌「ネイチャー」「サイエンス」に発表された論文をもとにした、科学コラム。人間の話題から始まって、生命、地球、物理学に宇宙、数学と、いろいろな話題が載っています。 ちょっと古い本ですが、ネタの宝庫といった感じの、楽しい科学コラム集でした…

「障害者は、いま」大野智也

積み消化。かなり古い本ですが。障害児の教育や、雇用、生活の中での問題、解決していくべき課題について書かれています。 データが豊富なので、この本が発売された80年代末と現在を比べ、どういったことが改善され、また放置されているのかを考える役に立…

「世界の面白ジョーク集」世界のジョーク研究室

ジョーク集というか、1,2ページでまとめられた掌編、ショートショート集といった感じ。大笑いするジョークではなく、くすりと笑えるネタ。息抜きには丁度良いですね。 状況説明が余計に感じるものも少しあって、文章に一工夫欲しいと思うときもありました…

「日本語練習帳」大野晋

押入れの整理をしていたら出てきた本。積ん読リストを見たら、まだ未読だったので消化。発売当時、結構話題になった記憶があります。 さすがに時間がなくて、問題はやっていませんが……普通に読むだけでも、普段意識していない日本語の表現を考えさせられ、勉…

「国際連盟 世界平和への夢と挫折」篠原初枝

国際連盟の26年間の軌跡をまとめた本。その成立から解散までをまとめるとともに、欠点や限界を認めつつも、国際連盟が果たした役割や成果を再評価されています。 読みやすく、かつ丁寧にまとめられていて、非常に勉強になる本でした。資料も豊富。 二次大…

「日本の経済 歴史・現状・論点」伊藤修

明治から現在までの日本の経済の流れを振り返り、現状の問題点と今後の展望を語った本。 経済史については平易な書き方でわかりやすく、勉強になると思います。ただ、ときどき著者の歴史観等、脇道に逸れるような意見が書かれているのが気になりました。また…

「日本の壊れる音がする 今なら、まだ間に合う!」島田晴雄

少し前の民主党の政策を中心に、日本の政治を批判し、今後の指針を述べた本。 バラマキ政策への批判等、著者の主張には頷ける点もあるのですが……不必要に相手を貶めるような表現があったり、国民の意見を勝手に代弁してしまっている部分があったり、また現代…

「国際テロネットワーク アルカイダに狙われた東南アジア」竹田いさみ

アルカイダの誕生と活動の変遷、東南アジア進出の過程、それに関わる東南アジアのテロ組織等についてまとめられた本。 書かれている内容の正確さに賛否あるようですが……社会に巧みに入り込んでくるテロ組織への対応の難しさや恐ろしさというものは、充分に伝…

「中国という世界 人・風土・近代」竹内実

書名通り、中国の人、風土、そして近代について論じた本。家族制度や、中国の地勢、近代の上海等について論じられています。 話題が広いためか、若干まとまりの悪い印象を受けました。文章自体は読みやすく、図や写真も豊富でわかりやすいのですけれど。政治…

「政策論争のデタラメ」市川眞一

環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、政治・行政の五つの問題について、今までの政策論争に対して疑問を呈し、データから現状分析をした上で新たな提言を述べたもの。エコブームや医師不足等、当たり前のように奨励されたり、または批判されていたもの…

「IMF(国際通貨基金) 使命と誤算」大田英明

IMFの成り立ちと、これまでの融資方式、プログラムの問題等について論じられた本。批判よりではありますが、IMFの設立から現在に至るまでの流れ、問題点、これからの展望がよくまとめられていて、IMFについて基本的なことを知るには良い本だと思います。専門…

「政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ」池上彰

ちょっと古い本ですが。 日本の政治についての入門書で、本当に基本的なことが図説入りでわかりやすく書かれています。中学生ぐらいでも充分読み解ける内容で、政治が苦手な人でも読み進めていけると思います。ぼかした書き方での政治批判はちょっと余計かな…

「パンデミックとたたかう」押谷仁、瀬名秀明

昨年の新型インフルエンザのパンデミックを中心に、新型インフルエンザの特徴や対策についての対談をまとめたもの。現在のパンデミックの対策や、一人一人の意識、マスコミの報道等の問題についても語られています。2009年のパンデミックの際、自分も無…